アベリーノ検査は必要か

アベリーノ症とは、一体どういったものなのでしょうか。
アベリーノ角膜ジストロフィ症は角膜異常症の一種で、世界で最も多い異常症といわれています。1000人に1人は、アベリーノ症といわれています。
その名前は、1980年に、イタリアのアベリーノ地方で初めて発見されたことからついています。
角膜に白い点がじょじょに増えていき、広がって最終的には眼を覆い、視力が低下してしまいます。

問題は、レーシックを受けることにより、悪化してしまうことがある、ということです。
原因は遺伝子疾患で、変化した遺伝子を受け継ぐことによって発症、つまり逆に言えばDNA検査で事前に発見することができます。
アベリーノ症は発症前だと眼科専門医が精密に診察しても、発見することができないことが多くあります。その確率は60%といわれています。
唯一絶対の方法が遺伝子検査ということです。

ではアベリーノ角膜症陽性の方が、知らずにレーシックを受けてしまうとどのようなことが起こるかというと、
一気に白濁化がすすんでしまうことになります。

一度そうなってしまうと、エキシマレーザーなどで濁りを一時的に除去しても、1年~数年で再発してしまうことがわかっています。
角膜移植をしても、周辺から白濁がはじまり、また数年で角膜全体が白くにごってしまうことになります。
いまのところ、発症後の効果的な治療法は、ないというのが現状なのです。

確率的には、1/1000ですが、事前に陽性であることがわかっている場合は、絶対にレーシックをうけてはいけません。
ただ、幼少期に発症することがほとんどで、診察で見逃してしまうほど、症状がでていない程度の未発症の患者というと、
さらに減るのが実際のようです。
40万以上の症例があるクリニックでも一度もであったことがない上、事前に行う診察の項目に必ず含まれているそうです。

クリニックによっては、強烈なメッセージと共に、アベリーノDNA検査を推奨するところもありますし、
発症していれば、細く絞ったスリットライトで専門医が診察すれば、診断できると主張するところもあります。

レーシックによるアベリノ角膜ジストロフィが悪化する、という論文が医学的に正しいのは確かなようです。
DNA検査をする必要があるか、複数のクリニックに診断をうけ、自分の責任において判断するしかないようです。