術後のケア不足によって起こる感染症

角膜は厚さ約0.5 mmの透明な組織で、いわゆる黒目と呼ばれる部分です。
レーシックなどで、角膜にキズがついた状態で、細菌やカビが付着し繁殖した状態を、角膜感染症といいます。
通常、角膜の表面は角膜上皮で覆われており、そうそう微生物が入り込めないようになっています。
しかし、例えばレーシックなどで角膜上皮に傷をつくると、微生物が繁殖しやすくなります。

角膜感染症を起こさないためには、術後にしっかりとしたケアが必要です。
2008年に、「銀座眼科」でおこなわれたレーシックのあとに、集団感染をおこしたことがあり、
それ以来「レーシックは危険」というイメージがついてしまいました。
器具などを衛生的にたもち、術後に内服、外用で抗菌をしっかり行うことで、防ぐことができます。

角膜感染症には、細菌性、真菌性、アカントアメーバ、ヘルペスなどがあります。

細菌性はレーシックだけんでなく、コンタクトの装用などでもおこります。
ただしく扱っていないと、洗面所などで洗浄の際に菌が付着し、眼の角膜にも感染してしまいます。

真菌性は、カビによる角膜炎です。
めったにありませんが、特に抵抗がおちているひとや、感染した器具などを手術で使うことなどで感染してしまいます。

アカントアメーバは、川や沼などに存在する細菌で、使い捨てコンタクトを長期間使い続けた場合などに感染します。

ヘルペスは文字通りヘルペスウィルスが原因でおこる角膜感染症です。
抗ウィルス薬の軟膏などで改善します。

これらの感染症は、角膜ににごりが残ってしまったり、視力の低下を招きます。
レーシックは角膜にキズをつけるため、こうした感染症に対するケアが不可欠です。

具体的に、クリニックでの取り組みのガイドラインを定めているのが、
米国疾病対策センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)です。
大手クリニックの多くで、CDCの基準に基づいて感染対策が行われています。

また、術後にきちんとした生活指導を行い、投薬をおこなうことで感染症は予防できます。
それでも、もし、気になる症状があったら早期に眼科を受診しましょう。

こちらにもレーシックの注意点が書かれていますので、ご覧ください。